風地観 初六。
童観。小人无咎。君子吝。
程伝によれば、
「童観」 とはこういうことです。
六は陰柔の質を以て、陽に遠きに居る、ここを以て観見するものは浅近にして童稚の如く然り、故に童観と曰う。
陽剛中正にして上に在る、聖賢の君なり。これに近ければ、その道徳の盛んなるを見、観る所は深遠、初は乃ちこれに遠く、見る所は不明、童蒙の観の如くなり。
この爻は陰柔不才で、
陽から最も遠いところにいます。
爻位が見識の高低を示すとすれば、
初はもっとも低いところです。
☴
☷
五爻を易経とすれば、
初は易経から遠く離れており、
未だまるきり読んでおらない象。
初爻を得たら、
易経を読まねばならぬ三変筮には、
適性なしです。
五爻を大学教育とすれば、
大学へは進学せずに義務教育を終えて働く、
そんな象とも云えます。
易学大講座にはこうあります。
変じますと風雷益になるので、筋肉労働か何か、さういふ方面の就職などは叶ふと見ますが、・・
「童観」 ですから、
高度に知的な職業には不向きだが、
ガテン系の仕事なら 「小人无咎」 でよろしい。
初には純粋素朴という意味もあります。
また、
伏している風雷益は、
鍬や鋤を持って土を掘り起こす象です。
(繋辞伝)