易経を読むブログ

易の 辞・変・象・占 について記しています。読書、日記、時事も。無断転載禁止。

左伝の有名な占

アウトラインくらいは
知っておくとよいと思いまして・・・。


随、元亨利貞。无咎。

この卦辞は、左伝襄公(じょうこう)九年の条に徴引されて、占法上、有名な一条である。魯の成公(せいこう)の母穆姜(ぼくきょう)が、幽閉十一年の後、その東宮で薨(こう)じた。国母でありながら幽囚の身となるについては然るべき理由があるのであるが、この穆姜が幽閉される東宮に往く最初に当たり、これを筮して 「遇艮之八*1」 を得たが、これを史は 「謂艮之随(艮・随に之くを謂う)」 と説き、之卦の随(出る意。震を出るとし、兌を悦びとする)によって 「君必速出(君必ず速やかに出でん)」 と占断した。これに対して穆姜が、随の卦辞 「元亨利貞」 を四徳として説き、この四徳があれば 「无咎」 であるが、自分には四徳がないから、「随其出也(随それ出づるなり)」 は当たらない。「必死於此(必ずここに死せん)」 と言い、結果は穆姜自身の予言通りになった。史が 「之八」 を 「之随(随に之く)」 とし、之卦(しか)随の卦辞で占断しているが、これについては占法上、種々の問題がある。
(今井宇三郎 「易経」)

*1:八が何を意味するかは明らかでない。
連山易または帰蔵易における呼名であるともいい、
また二つ以上変爻がある場合の通名であるともいう。
ここでは次に出てくるように随の卦である。
(丸山松幸 「易経」)