貞吉悔亡 の辞は、
- 咸 九四。
- 大壮九四。
- 巽 九五。
- 未済九四。
に出て来ます。
- 咸は感じる。
- 大壮は大いに壮ん。
- 巽は迷いが多い。
- 未済は各爻が位に当たっておらず、居心地が悪い。
このように見てみますと、
どれも安易に動いたり、暴進したりしやすいですね。
で、貞を守って悔いを亡ぼすようにせよ、
と云っているのですね。
それと四爻が多いですね。
四爻は心の部位。人の位。四は懼れ多し(繋辞伝)。
ということで、不安定な位だから。
(大壮の四爻なんて四連奇の極ですよ)
巽だけ五爻ですが。
五爻といえども、巽の時に天下を統べるのは難しいのでしょう。
巽は人に従う性質ですからね。
で、辞に厳しい条件が付いている。
巽四爻の方は悔亡となっていて、貞吉の辞がない。
五爻より条件が緩いのは、
社長の位ではなく、君側にいる成卦主だからでしょう。
あと、未済六五には、
貞吉无悔 の辞が繋かっています。
九四には貞吉悔亡とあったのですから、
この未済卦は、九四、六五と続けて条件付きの爻辞です。
(五爻になってもまだ条件付きの吉です)
それだけ、未済という卦も、
ヘマをしやすい運勢なのでしょう。
四の悔亡より五の无悔の方が、
悔いの程度は軽くなってきていますが。