易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

周易

吉字にご用心

帝乙帰妹。以祉元吉。── 泰六五 「以て祉(さいわい)ありて元吉」とあるからといって、 無闇に大吉判断をしてはいけません。こうした五爻の辞は、 安泰が崩れた時にどうするのか? が書かれてあるのですから。いわば、 「衰運」における アドバイス (上六にな…

易占のテキスト

黄小娥「易入門」 井田成明「現代易入門」 鹿島秀峰「現代易占詳解」 立野清隆「サイコロを使った 実占・易経」 銭天牛「すぐに役立つ 銭流 易経」これらは、 易占のおすすめ本として ネット 上でよく見るものです。しかし、 これだと卦の理解が 少し浅いように…

正妻とお妾さん

易経の序卦は、 漸→帰妹と続いていきます。漸は妻になる卦で、 帰妹は妾になる卦です。卦の形は同じなのに、 上下がひっくり返っただけで、 六爻の爻位が変わっただけで、 上卦下卦の配合が変わっただけで、 このような違いが生じるのです。 ䷴ ䷵ 卦辞によれ…

易経が近道

昔の漢学者はこうだったようです。 父はつねづね、 「四書五経の文句は諳記していないといかん」 と言っていた。 (本田済) しかし、 江戸末期、明治期の知識人ならいざ知らず、 現代の一般読書人、それも中高年の人ならば、 まず易経から始めればよいと思…

「易学発秘」

加藤大岳「易学発秘」紀元書房 は古書でしか入手できませんが、 読んでおくとよい本です。 そして、読んで理解するだけでなく、 身に付けてしまうのがよいのですが、 独学だと難しいかもしれません。 一番いいのは、 易学教室だとか、易研究会に属して、 自…

易占の勉強は・・

易占の勉強は、 可否を占って易経で答えを 出せるようにするとよい。 まず可否占を学ぶのですよ。 易経も読めない レベル なのに、 私がこの世に生まれてきた理由、 なんて占ってもねぇ・・ なんも答えは出ないよ。 それと互卦、之卦を出して、 卦意をつなげて…

易占と信仰

昔の、 易研究会の資料の余白に、 過去の ワタクシ が書いた、 メモ 書きがありました。 まず氏神様を祀ること。 神棚と仏壇のお参りは毎日せよ。 これは易占をする者は・・ ということだったと思います。そのほかにも、 このように教わりました。 キリスト教でも…

易という書物は

易という書物は、 辞(文字)だけを見ていても 理解できません。文字のほか、 卦の カタチ、象、爻位、陰陽、音通・・なども、 見なければ。そういう珍しい書物なのです、 易という書物は。 書不尽言、言不尽意(繋辞上伝)。 書は言を尽くさず、言は意を尽くさ…

朱子の註を読んだ

坤為地の卦辞はこうです。坤、元亨。利牝馬之貞。 君子有攸往、先迷、後得主。 利西南得朋、東北喪朋。 安貞吉。これにつけられた、 朱子「周易本義」の註を読みました。せっかくなので載せておきます。 ⚋は耦(ぐう。偶数)なり、陰の数なり。 坤は順なり、陰…

オーソドックス な周易

断易、タロット、日盤鑑定・・が メイン で、 周易は サブ 的に用いるという方は、 また違うのでしょうが、 周易を専門にされる方には、 「岩波易経」「本田易」「今井易経」等を読み、 「易学大講座」「易入門」「易 占法の秘伝」 を テキスト とされることを推奨し…

貞と孚について

乾為天(有料記事)では書きませんでしたが、 柳下「易入門」の p.116 に、 「貞」の三つの意味が書いてあります。貞は易の重要 ワード なので、 「易入門」を読んでよく理解しておくとよい。真勢易では、 貞とは、正常固の三義を具せり。 と云っています。貞…

爻辞占の論点

前々回の ブログ で、 とりわけ、可否占の腕を磨きましょう。 と書きました。可否占だから筮法は三変筮であり、 三変筮だから原則として爻辞占なのですが。たとえば、 五爻は上卦の中位にあるため、 比較的よい爻辞がかかっていますが、 そのまま吉判断するこ…

「易占とは」

そもそも易占は、 可否・成否(三変筮)。 推移・成行き(六変筮)。 を占うものです。可否・成否。 推移・成行き。易占においては、 これらを占いましょう。前者は三変筮を用いて。 後者は六変筮を用いて。こう書きましたが、 ここまでのことが、 出来てな…

他人の占例を見て

ネット の占例を見ていると、 こんなことがありました。その占例は、 ・転職したらどうか。 ・今の職場に残ったらどうか。 という転職占でした。後者に得たのが、 地風升の初爻だったそうですが、 解釈を読んで オレ が思ったのは、 得卦は水風井の初爻なんじゃな…

薄れゆく関心

最近、ネット 上で、 新井白蛾、真勢中州、高島嘉右衛門、 加藤大岳、柳下尚範・・等の名を 見なくなった気がします。 ブログ や tweet においても これらの名前の出ることは、 極めて マレ になったようです。 過去に学んでいた人も、 出だしは勢いがよかったが、…

白く飾る

「山火賁の爻辞には いくつか白が出てきます」こんな tweet をしている人がいました。 よい読み方をされている・・と思いました。 初爻。四爻。上爻。雑卦伝。 これらは「白」の表現ですからね。 華美に流れる、体裁を飾る・・よりも、 白い、自然の飾りの方…

幻の易学大講座

易学大講座は加藤大岳氏の 若かりし頃の著作なので 改訂の必要があったようだ。 改訂者として某氏が選ばれたが、 氏は長いこと熟慮した結果、 「いや、これはこのままでいいでしょう」 という結論に達したということで、 全面改訂されることはなかったのです…

有料記事

はてなブログで 記事の有料販売が 出来るようになりました。なので時々 六十四卦の有料記事を 書いてみようかと。たとえば・・柳下「易入門」p.123 の、 水雷屯の家出人の占考例に、 家出したものの、 困まっていますが すぐには戻りません。 とありますが、…

或る明夷説

昔読んだ説なのですが、 すっかり忘れていたので、 再度確認してみました。「明夷」についての説です。 オレ は ムツカシイ ことは苦手なので、 写真を載せるだけにとどめておきます。

明夷という卦

地火明夷は 明が夷(やぶ)られるという卦。 明夷は外より為される破敗である。 (真勢易秘訣) ䷣ つまり、 上卦(彼)の坤暗によって、 下卦(我)の離明がやぶられるのです。会社員なら、 無能な上司のために才能を発揮できないし、 それどころか害されるという…

射覆占

柳下尚範先生は、射覆占について こう述べています。 射覆占の上手下手で、 占者としての技倆の優劣は つけられないものであることを 知っていて欲しいと思います。 射覆占を一生懸命行い、研究しても、 象の見方は上手になりましょうが、 他の占いも上達す…

陰が五爻まで来た

坤為地の第五爻は、 黄裳。元吉。なので、 大吉のようにも思われます。しかし、これは、 坤という卦にあっての「元吉」ですから、 積極的に発展するというのではありません。そこのところを、 上手に占考する必要があります。さらに易学大講座には、 分外の…

道を守る人

「程伝」を書いた程伊川の人物について、 本田先生はこう述べています。 この注釈を書いている程伊川という人は、 非常にきまじめな官僚で、天子に対して 御進講申し上げる職にあった人です。 大変忠義の心が篤かったらしい。ここの注も、 そういう注釈者の…

害のある爻

坤為地の 三爻(含章)も、 四爻(括囊)も、 才能を包み隠すべき時。しかし、四爻には、 ・害(象伝) ・他から誹難攻撃(易学大講座) とあって、 三爻より危険度が高いのですが、 これはなぜなのか。坎を伏しているのはどちらも同じ。どちらも、 承、乗、応は陰で…

蹇之剝

「蹇の剝に之く」 という日筮を見た。 (得卦に著作権があるなら ゴメンナサイ) ䷦ ䷖ (六変筮の日筮・・)どう解せばいいのか、 これだけではわかりませんが、 勝手に思ったことをみっつ。 蹇は艮体の上に坎の病のある象。剝は坤牀の上に艮体を横たえている象。…

俳句と易

ある俳句の批評文に、 こんなことが書かれていた。 春の句は とにかく美しさが表面的になって、 味の浅いものになりやすいが、 この句は深い美しさを湛えて、 いわゆる底光りがしている。こういう場合、 花とか鳥とかを描くと、 見た目には綺麗な句が出来る…

陰が下に生じた

初学者は岩波易経より、 本田易を読んだ方がよさそうだ。 オレ は今、本田易を読んでいるが、 チト 物足りない箇所もあるが、 まあよい入門書であると思う。 12日に母が入院し、父の介護もあって 最近は忙しくて詳細には読めないのだが。霜を履んで、堅冰至る。 …

素直な得卦

twitter上の射覆で、 「砂時計」を言い当てる というものがあった。ある方の得卦は山雷頤だったが、 よくこんな卦を出したもんだと感心した。 ䷚ 卦の形も砂時計だが、 震下艮上ゆえ、動いて止まる、 上下をひっくり返して、 動いて止まる。この繰り返しは砂…

直方大

坤為地の二爻に、 直方大。 とあります。だから ド した? と思われる所ですが、 小生は、 坤徳を発揮すれば吉、 オレ が、オレ がという態度は凶で、 伏卦の争いとなる、 と大雑把に捉えています。伏卦を師団とすれば、 組織において坤徳を発揮する、 すなわち…

パウダー 状の象

坤為地の象に、 霜雪霰霧の類 (真勢易秘訣) とあります。 ䷁ 六偶十二断の象といっていいのか、 オイドン にはわかりませんが、 両断の陰爻が六つ積み重なっているのを、 パウダー 状の象としているのでしょう。黄砂というのも、 この象に入るでしょうか? そう…