易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

心中の象

風沢中孚の五爻には、 こんな占意があります。 家出人は・・心中など警戒を要します。 (易学大講座) 大岳氏はなぜ「心中」と占考したのか、 考えてみました。・孚を以て固く手をつなぎ合う爻。 (爻辞に曰く、孚有りて攣如) 手をつなぐ相手は六四 or 九二…

なんでもない占

武隈天命氏の占例です。× × × × 平成18年の占。 相談者は当時60歳の女性。 「これからブティックの経営をしたい のですが、どうでしょうか?」 と訊かれたので占いました。 ䷼ 風沢中孚 九五 氏は、 この卦の「中虚」の象意から 『儲からない』と見ました。しかし…

上には勝てない

月、望に幾(ちか)し。 月は満月に近い。 ── 中孚 四爻この句に関する、 程伝の註釈はこうです。 四を孚を成すの主となす。 君に近きの位に居り、 処ることその正を得て、上これを信ず。 孚の任に至当なる者なり。 月の望に幾きがごとく盛んの至りなり。 すで…

厳冬の寝具

電気敷毛布を敷き、 ジャパネットの安い羽毛布団を掛け、 その上に無印の毛布を重ねて寝ています。まァ、暖かいです。

易占の学び方

易占は、 可否・成否 推移・成行き を占的とし、 前者は三変筮 後者は六変筮 と筮法を使い分けることで、 易の機構に適った占が出来ます。しかし、 これを知っただけでは、 まだ占うことは出来ません。実際に占うためには、 易経を読むこと。 易経を占に応用…

易と満月

月幾望。月望(ぼう)に幾(ちか)し。この句は、 ・小畜上九 ・帰妹六五 ・中孚六四 に出て来ます。月は満月に近い、 という意味です。昔読んだ、 先代・銭天牛氏の『銭流・易経』には、 望みが叶うのも間近か・・ みたいなことが書いてありましたが、 そう…

易の特色

易の特色は、辞だけでなく、 卦爻(象数)があるということです。 易経が他の書物と全く異なるところは、 辞の他に、その卦の象があることです。 私達は、心に思うことを全部ことばで いい表わすことはできませんし、ことばを 完全に文に表わすこともできませ…

辞占のやり方

三変筮は爻辞で占う筮法ですが、 たとえばこんな辞が得られたとします。 「危険である。懼れ慎めば吉」「新規に〇〇していいか」が占的なら、 「危険だけど慎重ならばやってよい」 とは占いませんからご用心。こういう占考は、 初心者にありがちです。「危険…

三島の短篇集

昼休みに、 ・スターバックス ・タリーズコーヒー ・床屋の順番待ち などにおいて読んでいます。 三島由紀夫の短篇集です。 一文、一文、退屈なところがありません。 先日「クロスワード・パズル」を読みました。 とても楽しんで。 それにしてもこの人の文章…

現代易・雑感

当ブログの易占は、 柳下「易入門」の域を出ていないのですが、 ネット上における同書の評判は、 あまりよろしくないようです。レビューを見ても、 表現がむずかしい、 文章が古い、 ハードル高め・・ などと書かれています。これは、 著者の実直さの表れか…

かくすれば吉

柳下「易 占法の秘伝」に、 辞占の心得が述べてあって、 その中の一つにこんな記述があります。 筮して得た爻の辞に 「かくすれば吉」とある場合は、 問占者はなかなか教え通りに 行動できないものである・・ いつものように サラリ と書いてあるので、 読み飛…

読まれた過去記事

「易経を読む」というタイトルの過去記事です。 誰かが遡って読んでいたようなので再掲します。× × × × 「易経を読む」と云っても、 初めのうちはその意味すらわからない。 愚生もそうでした。 愚生の場合は誰に習ったからというより、 『易経講話』を腰を据…

中孚の物件

「この家を買っていいか」 を占って風沢中孚を得たとします。 ䷼ 卦のカタチは大離で、中虚の象です。 四陽は外にあり、二陰は内にある。 二陰には日も差さず、風も通りませんから、 この家はそうした環境下なのでしょう。 購入自体に問題はないのですが、 この…

中公文庫

最近、中公文庫の短篇集が気に入っている。 とりあえずアンソロジーから読んでみると、 各書き手による作品の違いが楽しめてよい。 「教科書名短篇・少年時代」 などを読んでみるとよいだろう。 所収中の安岡章太郎『サアカスの馬』は、 中学校の教科書で読んだもので…

易経至上主義

易経を読んでも占いは出来ない、 という人がありますが、 加藤大岳氏はこう述べています。 ━━ 中孚の占考 此の卦を占考するには、やはり彖伝や象伝と 同じ角度から卦を見てゆくわけで、・・ (易学大講座) 大岳氏は彖伝、象伝によって、 中孚卦の占考をなし…

三変筮における変化

略筮と違って、 三変筮は爻変しないので、 変化が見られない、 という人がいます。しかし、 易における「変」というのは、 本卦→之卦 ばかりであるとは、 必ずしも云えないのです。というのも、 一卦における六爻というのは、 卦の象意が、 爻の位置によって…

中孚の不信

風沢中孚の占意に、 巧言令色にして信無き意。 偽り欺く意。 があります(「真勢易秘訣」)。誠のある卦なのに・・一卦においては、 「大離」は表は華やかですが、 陰邪を包み隠しているからです。爻においては、 六三、上九の爻象に 「信ならざる」を見るの…

朱子に触れる

朱子語類を拾い読み。 内容とは関係ありませんが、 著者のこんな文章が気になりました。 文学作品の場合は、作者の手を離れて 読者の想像のなかで勝手に「進化」してゆくが、 われわれのような「学術作品」は 事実や真偽の世界だから、作者の手を離れると、 …

舟の象

渙は巽木が坎水の上に浮かび、 ䷺ 中孚は巽木が兌水の上に浮かぶ。*1 ䷼ 渙も、中孚も、 木の舟が風に吹かれて水を渉るのです。 これを舟楫(しゅうしゅう)の象といいます。 (舟楫は繋辞伝の言葉)ゆえに、 どちらも卦辞において、 「大川を渉るに利ろし」 …

俺の手

写真だとハッキリしませんが、 (元来、俺の手は白い) 左の手の甲、人差し指と中指の付け根の当たりが 赤紫色に変色していました。 しもやけだと思われます。 以前からあかぎれはあったのですが、 しもやけが加わったようで。 冷えたのかしら。 しかし野蛮な手…

天に応じる

論語に、 主忠信、徙義、崇徳也。 忠信を主とし、義に徙(うつ)るは、徳を崇(たか)くするなり。 とあります。また、 易経、中孚の彖伝には、 中孚以利貞、乃応乎天也。 中孚以て利貞、乃ち天に応ずるなり。 とあります。この二条は、 同じようなことを云…

便秘のカタチ

柳下・易入門によれば、 風沢中孚の病占に「便秘」とあります。 なぜだかわかりますか? これは一卦全体の形を見ているのです。 ䷼ 内にある三爻・四爻の陰便が、 出口がなくて貯留していますね。 これを便秘にとっているのです。三変筮でも、六変筮でも、 占…

2023新年

明けましておめでとうございます。近くの小神社に詣でる。 易は驕りたかぶった盛大さを嫌います。 お供えの豪華さよりも精神を重んずるのです。東鄰殺牛、不如 西鄰之禴祭 実受其福。 (易経、既済九五)牛 ……豪勢なご馳走。 禴祭…質素なお祭り。