易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

重要な論点

「无咎」 について、 易経では 无咎者善補過也 と解説しています。咎无シトハ、善ク過チヲ補ウナリ、と。けれども、これは、 処世上、道徳上の教えとして 辞を繋けているととらえるべきです。つまり、 こういう運勢だから、 「君子かくあるべし」 と云ってい…

大過の卦象を取る

山風蠱 六四。 裕父之蠱。往見吝。この爻を、 以下のように解する人*1がいます。 六四は、体(たい)大過にして本末弱し、故に柔に過ぎて因循である。 初~四爻に沢風大過の象を見て、 ☶ ☴ 大過・彖伝 「本末弱也」 の意をとっています。すると 「吝」 字は…

本義と程伝

山風蠱 九三。 幹父之蠱。 小有悔、无大咎。この辞につき、 朱子の周易本義はこう註しています。 過剛不中、故小有悔。 巽体得正、故无大咎。 はぁ? って感じです。*1漢文が得意な方でも、 易を知らなければ 「?」 だと思います。なぜかというと、朱子本義…

月筮の検証

今月の月筮は 風沢中孚 三爻 でした。得敵。 或鼓或罷、或泣或歌。これって、何だろう? 誰かオレにいちゃもんをつけて来るのか。 それとも精神の安定が揺らぐのか。 ・・・。××××でも、どうやらこの、 或ハ鼓シ、或ハ罷メ・・は、 パソコンの機能不全による…

占考を推理する

山風蠱の初爻は、 幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。 というように、他人の尻拭いをする時で、 運勢は停滞しており、鹿島秀峰氏は、 「新規な願いや大事はその時機でなく退守せよ」 と占考しておられます。それなのに、受験占においては、 「入学試験に限り、…

三変筮と占的

三変筮は爻辞占が原則ですが、 爻辞が占事と合致していないことがママある・・云々、 と云われたりします。その場合には爻辞を捨てて、 象をもって占うことになると。確かにそのとおりなのですが、 その前に考えてみるべきことがあります。それは、 三変筮は…

女性の非を正す

山風蠱 九二 幹母之蠱。不可貞。この 「不可貞」 が曲者です。巷間、 女性の社会進出が叫ばれておりますが、 易のこの教えは押さえておくとよいです。すなわち、 女性に対しては 「貞ニス可カラズ」。たとえ女性に非があるにせよ、 理論を構築して理路整然と…

三変筮の例題

結婚を三変筮で占って、 火雷噬嗑 五爻 を得たとします。爻辞。 噬乾肉、得黄金。貞厲。无咎。この占、 問うているのが 「可否」 か 「成否」 かで、 占断が異なったりします。この爻は吉爻だから吉判断。 この爻は凶爻だから凶判断。こうした 「おみくじ易…

二つの爻辞占

(巻の一)一か月の運勢を占って、 兌為沢 五爻 を得たとしましょう。爻辞。 孚于剥。有厲。ここは、 「上爻の邪媚な女に身ぐるみ剥がされる象」 と云えます。歓楽街に行かれる方は、客引きなどには ついて行かない方がよいでしょう。それとも、「孚」 とあ…

「行事之吉日」 説

先甲三日。後甲三日。(蠱、卦辞) これ、 謎のような言葉です。古代は、 甲乙丙丁戊己庚辛壬癸 の十干をもって、 日を記したということです。 「甲に先だつ三日」 とは、 甲の日から先に癸壬辛と遡って辛の日をいいます。「甲に後るる三日」 とは、 甲の日…

悪さをする虫

紀藤元之介氏による山風蠱の占意に、 面白いのがありましたのでここに引用し、 そしてブログ主による註をつけてみます。 「 親しい者との弱肉強食」 蠱は、巽が山下に落ち、吹き荒れて破れを生ずる卦。それが艮門の内なので、内部者などの 「親しい者」 の破…

雨は降るかの占

13日、14日は、 生まれ故郷である天竜峡、飯田方面を旅したのですが、 13日は晴れ予報、14日は雨の予報がなされていました。14日は天竜ライン下りをする予定でしたので、 当日の天候が気になっていました。そこで一筮を試みました。「14日、旅先において雨は…

天竜峡

13日、14日、 天竜峡・飯田へ旅してきました。 13日はいい天気でした。 14日、 天竜ライン下りにて天竜川を下る。 天龍峡温泉港 → 唐笠港まで。 船頭さん、カッコイイ。 龍角峯。 天竜川に潜んでいた龍が天に昇ったと。 潜龍~飛龍といったところですね。 唐…

読む・書く・筮する

昔は 読み・書き・ソロバン と言いましたが、 周易占を学ぶにおいても、 易経、占法の本を 「読む」。 占例、解釈例を 「書く」。 実際にお客さんを 「筮する」。 ことが必要だと思います。鼎卦もそうですが、 三つの調和によって発展していくと。周易講座に…

凶に吉あり、吉に凶あり

山風蠱の卦は、 ☶ ☴ という形をしていて、 山の下に風のあること。 年上の女が年下の男に下っていること。 すなわち、 下卦の巽風・巽女が悪さをなすことによって、 蠱乱蠱惑が生じて来ると見ています。(白蛾小筌では 「門内賊あるの象カタチ」 と)そうして、…

天行也

山風蠱は、 腐って壊乱するという卦ですが、 蠱、元亨。と卦辞にあるのはなぜ? 程伝に曰く、 既に蠱(こ)なれば則ちまた治まるの理あり。 古より、治は必ず乱に因(よ)る、*1 乱なれば則ち治を開く、理の自然なり。 窮まれば変ず、というやつです。 窮ま…

乱れる象

山風蠱は巽下艮上の卦です。左伝に曰く、 周易に在りては、 女が男を惑わし、風が山より落つ、 これを蠱と謂う。 ☶ ☴ 長女(巽)が少男(艮)に下ってその情を乱す象。 山下に風が落ちて草木を吹き散らし壊れ乱れる象。

十二夜

今朝、五時に目が覚め、布団の中で、 シェイクスピア 「十二夜」 を読み終えました。安西徹雄 訳、光文社古典新訳文庫です。訳文がわかりやすかったせいか、 シェイクスピアを読んで始めて面白いと感じました。文章を書く際の頭の発想、 構文を玩んでいるか…

卦爻辞の思想

卦辞・爻辞は、 こうした考え方が背景にあると、 赤塚忠 「易経」 に記されてありました。 変化を重視し、その変化に随順すべしとする。 異なった性質・位置・境遇の相互協調を重視している。 最初の行動や転換の際の行動を慎重にせよと戒める。 極端・極度…

易を楽しむ

個人的なことですが、 改葬(遺骨の移動)が終りました。改葬は人生における大事なので、 その兆しが年筮に出ているのではと思いまして、 屁理屈をこじつけてみました。××××今年の年筮は 火風鼎 上九 です。鼎は 上帝を享る という卦です(彖伝)。 すなわち…

時に中する

youtube に易講座がupされていました。「時中」 について語っていました。小生は、易の爻辞というのは、 時に中するための教えとして繋けられていると、 そう思っています。たとえば、亢龍有悔は、 中を過ぎてはいけませんぞ、 という戒めの辞です。卦は 「…

西山に亨す

随上六。 拘係之、乃従維之。 王用亨于西山。××××拘は止なり(説文)。 ということで、 拘係は 「とどめつなぐ」 です。××××王用亨于西山。こういう辞が出た時には、 「お祭りしてますか?」 と問占者に聞いてみるとよい。易占書にはこうあります。 「神を祀…

易経の誤植

新釈漢文大系 「易経」 明治書院 ・・を読んでいると、 今日もまた誤植を見つけました。六三 六五 といった程度のものなので、 内容理解には支障はないでしょうけど。(誤植を補って余りある良書です)誤植は、現代の易書には、 そこそこ含まれている可能性…

村の司祭

バルザック 「村の司祭」 を購入しました。 バルザック全集 第21巻 所収の小説です。国分寺の古書店にて。均一のスペースが増えました 店内も広くなっています pic.twitter.com/y5CH6fQGZq— 古書 七七舎 (@Books77sha) 2019年3月23日

悪と群れる

孚于嘉。吉。 (随九五) 君子を信じることは、吉運のもとである。孚于剥。有厲。(兌九五) 小人を信じることは、悪運の兆しである。 ・・と、 こんなふうに訳してみました。誠実でない御方と係わることは、 悪運を引きつける要因となりますから、 たとえネ…

「嘉」について

沢雷随 九五。 孚于嘉。吉。この 「嘉」 字についてです。嘉謂二也。 傳曰嘉偶曰配而昏礼為嘉。 故易凡言嘉者其配也。 (蘇軾) 嘉とは二をいう。 伝に嘉偶を配といい、昏礼を嘉と為すという(出典不明)。 そのため、易でおよそ嘉とは配をいうのである。 (…

誤植情報

新釈漢文大系 「易経 上」 明治書院407 ページ、後ろから4行目、 「程伝」 からの引用文に誤植が二つあります。このままだと文意が汲み取れません。知りたいと思われる方は、 ご自分で調べてみればわかると思います。(「程伝」 より引用しておきます) 九五…

久化

新元号候補案だった 「久化」。出典は何か知りませんが、 この二文字を見ると易を連想します。久→雷風恒 化→沢山咸 ・・といったように。化することが久しい。 ・・と読んで、 生生之謂易 を思い浮かべたり。

新しい元号

令和 だそうで。万葉集にある歌の序文の、 「初春の令月にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ・・」 から取ったそうですが、四書五経の文言に比べて、 少し言葉が軽いようにも思われます。今回初めて漢籍から選ばなかったということですが、 ここに何か深…

判断に迷う時

ある店舗を借りて、 ラーメン店を開業することの可否を 占ったという占例です。賃貸物件の条件もいいし、 資金面も特に問題はないが、 開店後、順調に売り上げが保てるかが心配だと。某年8月、これを筮して、 坤之晋(爻卦は上から坤巽坤兌離兌) を得ました…