易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

无道の世

地火明夷は、
国が正常ではない状態ですが、
ちょっと今の日本を思わせます。

論語では、
无道(むどう・無道)の世に処する法を
こう述べています。

× × × × 

子曰く、
邦(くに)道有れば、
言(こと)を危(ただ)しくし行(おこなひ)を危しくす。
邦道無ければ、
行を危しくし言孫(したが)ふ。
論語、憲問)

孔子が曰ふ、
邦に道が行はれて居る時には、
言行共に正しくし、
邦に道が行はれて居ない時には、
行ひを正しくし、言葉は謙遜にして、
禍ひに遠ざかる様にする。
(服部宇之吉)

× × × × 

国が真っ当でない時には・・

暗愚の上位者に逆らわず、
言葉を荒げるようなこともせず、
ただ行いを正しくし、
発言は慎重にすべきである。

・・としています。

明夷の辞で云えば、

  • 艱貞に利ろし(卦辞)。
  • 内文明にして外柔順(彖伝)。
  • 晦きを用いて明らか (象伝)。

ということです。

无道の世は、
離下坤上の形から、
明徳が傷つけられて生ずるのですが、
无道の世に処するのにも、
離下坤上の形によって、
内に才能を隠して明徳を保ち、
外は无道の世にあって柔順ならば、
それが後の吉になるのです。
(離の太陽はまた昇る)
(太陽=正常 です)

同じ卦の形において、
艱難を読んだり、対処法を見たり、
易システムは易簡にして、
深遠なものです。