枯楊生稊。老夫得其女妻。
无不利。
── 大過、九二
新釈漢文大系「易経」に引く、
この註釈は実にわかりやすい。
巽を木となし、兌を沢となす。
楊は沢に近きの木なり、
故に以て象となす。
枯楊は大過の象なり。
稊は根なり、初、下に在るの象。
老夫は九の象。
女妻は初柔、下に在るの象なり。
九二は陽過ぐと雖も下に陰に比するは、
枯楊の老に過ぐと雖も稊の下に栄ゆれば
則ちまた上に生ずるが如し。
老夫にして女妻を得るは、
過ぎて以て相与(くみ)すと雖も、
終に能く生育の功を成す。
(胡炳文「本義通釈」)
「枯楊は大過の象なり」
陽が多過ぎるので、
楊が乾き過ぎて枯れた象。
「老夫は九の象」
九は老陽ですからね。
× × × ×
新釈漢文大系「易経」は、
このような立派な文章をお手軽に読めて、
げに有難き出版事業かな。